【映画】史上最低の映画監督と言われたエドウッドの特集記事。自信作です。

映画作りは、楽しいぜぇ!

史上最低の映画監督と呼ばれた男

エドワード・D・ウッドジュニアは、1924年から1978年の間に活躍したアメリカ合衆国の映画監督です。彼が他の監督と一線を画すのは、彼の製作する映画がどれも低クオリティで、はっきり言って子供の工作レベルであること。そのことから、エドウッドは「史上最低の映画監督」と呼ばれることになります。

ではなぜ、わざわざそんな映画を紹介するのでしょうか。

確かにエドウッドの映画は低予算で低クオリティです。一部のマニアの間では、クソ映画などと呼ばれています。大変、不名誉な呼ばれ方だと思います。しかし、エドウッドの作品「グレンとグレンダ」「怪物の花嫁」「プラン9・フロム・アウタースペース」は低クオリティながらも結構面白く観られるのです。
それはなぜなのか。

エドウッドの作品からは、彼の映画にかける熱意を感じるのです。

「誰が何と言おうと、自分は面白い映画を撮っている」
そんな気概を持って仕事をしているんだろうと想像できます。「プラン9」より後の作品は、創作意欲を無くしてしまって、ただ時間が経つのが苦痛なだけです。

これからご紹介する三作品は、どれも一見の価値ありです。
クソ映画などとは呼びません。まあ、低クオリティなんですけども。ある意味名作です。

『グレンとグレンダ』(1953)

服装倒錯者が社会的に差別されていた時代。
女装が趣味のグレンは、婚約者のアンゴラのセーターを身に包むのが大好きなのだが、そのことで婚約者と揉めていた。

本作が作られた時代、写真家ジョージ・ジョーゲンセンが性別適合手術をして話題になっていました。性転換物はウケる! そう直感したハリウッドの低予算プロヂューサー、ウェイスは服装倒錯者のエドウッドに白羽の矢を立てました。エドウッドは、ジョーゲンセンの気持ちを理解できるのは自分だけだと意気込みました。が、ジョーゲンセンに出演を断られてしまいます。

結局、自分と恋人が主演を務めたため、性同一性障害の話ではなく、エドウッド自身の服装倒錯映画と化しました。

まさに、”他人の金で自主映画を作る”というやつですね。

本作をご覧になってもらうとすぐに分かると思いますが、『グレンとグレンダ』は支離滅裂でメチャクチャです。冒頭であらすじを紹介しましたが、あんなもんじゃありません。はっきり言って、カオスです!しかし、それゆえに実験性が高く、コアな映画ファンから圧倒的な支持を受けています。

肝心の興行収入はどうだったのでしょうか。
もちろん大失敗でした。

『怪物の花嫁』(1955)

謎の失踪事件を追う女性記者が、事件に深追いしすぎて誘拐される。失踪事件の犯人は、ベラ・ルゴシ演じるマッドサイエンティストだった。科学者は部下の怪物男と巨大タコに人攫いをさせ、原子力による人体実験を繰り返していたのだ。このままでは、女性記者も怪物にされてしまう! 記者の恋人は、彼女を助けるために、不気味な研究施設に乗り込んだ。

エドウッドは子供の頃から怪奇映画が大好きでした。

ベラ・ルゴシ主演『吸血鬼ドラキュラ』の大ファンで、彼を起用して独自の怪奇映画を撮りたかったのでしょう。時の流れは残酷です。もうすでに時代は怪奇物ではなく、SFの時代でした。
資金を調達し、映画を売るためにはSFにするしかなかった。

そうしてできたのが本作『怪物の花嫁』です。
『グレンとグレンダ』が実験的だったのに対し、本作はちゃんとしたドラマ仕立てになっております。何かコツを掴んだのでしょう。少し残念ですが。

見所は、何と言ってもベラ・ルゴシの名演技でしょう。

博士は部下の巨大タコに襲われるのですが、巨大タコはもちろん作り物です。というか、ただの置物です。中に機械が入っていてモーターで動いたりはしません。では、どうするか。もちろん博士演じるルゴシが、襲われながらもタコの足を動かすという離れ業をやってのけます。それが本作の最重要クライマックスなのです。

怪奇物にSFを組み込んだエドウッドの力作。
ドラマツルギーのコツを掴み、ベラ・ルゴシを主演に据えた本作は、興行的に大失敗でした。

『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959)

アメリカのパイロット、ジェフ・トレントは飛行中に謎の空飛ぶ円盤を発見する。それは外宇宙からの侵略者で、死んだ人間を蘇らせて配下に置く、第九計画(プラン9)を遂行するつもりだった。トー・ジョンソン演じる刑事も死体に襲われる状況の中、トレントは祖国アメリカを想い、侵略者達と対峙する。

エドウッドの代表作と言ってもいい作品です。

『グレンとグレンダ』は実験性が非常に高いがゆえに観にくく、『怪物の花嫁』は良くも悪くもまとまっています。そして本作『プラン9・フロム・アウタースペース』は、エドウッドの魅力が十二分に発揮されており、私も一番好きな作品です。

非常に胡散臭い!

映画の冒頭でクリズウェルが謎の予言をしますが、おそらく深い意味はないのでしょう。夜のシーンでは、当たり前のように昼のカットが挿入されます。宇宙船の造形があまりにもUFOである以前に、糸で上から吊っているのが丸見えですし、役者の演技も、それでいいの? と首を傾げてしまいます。

なぜ? なぜなんだ!

それは、エドウッドだからです。
願わくば彼の下手さが、ただの個性ではなく、作家性まで突き抜けることができれば良かったのですが……。

自身が最高傑作と信じた『プラン9・フロム・アウタースペース』が興行的に失敗し、プロヂューサーは疲労と絶望で死んでしまいます。さすがのエドウッドも打ちひしがれてしまい、創作意欲も萎え、酒浸りの日々を送ります。死因はアルコール中毒でした。

皮肉にも、彼の作品は死後に再評価されることなります。

おわりに

ということで、エドウッドの特集記事でした。いかがだったでしょうか。ぜひ彼の作品をご覧になってみて下さい。店舗にもよりますが、TUTAYAでレンタルできます。ティム・バートン監督の伝記映画『エド・ウッド』もオススメです。

著者
こねこ座

こねこ座

個人でアニメーションを制作する傍ら、ご機嫌な映画紹介ブログの管理人をしている。映像作家。

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