ジャッリカットゥVS細田守(公開日)

世間が細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』で騒がしい中、『ジャッリカットゥ 牛の怒り』がシアターイメージフォーラムにて公開されました。さあ、あなたならどちらに行きますか。

……うんうん、なるほど。

細田監督の新作に太刀打ちできる唯一の対抗馬、それが『ジャッリカットゥ 牛の怒り』であると?

お客さん、あなたはお目が高い。この作品、間違いなくあなたの記憶に深く刻まれるでしょう。私が保証しますので、安心してご覧あれ(無責任)。

あらすじ

南インドのとある村。肉屋の男アントニが一頭の水牛を屠殺しようとした刹那、水牛は危険を察知して、全身全霊で脱走する。逃げ出した水牛はタピオカ畑や家屋を破壊しながら、なおも止まらず突き進む。アントニは意中の女性であるソフィを振り向かせるべく、自らの手で捕まえようとするも、水牛の被害はますます広がるばかり。事態は村中の人間を巻き込んだ、水牛争奪戦の様相を見せるのだった。

インド版「もののけ姫」か「七人の侍」

私は普段あらすじを書く時、公式ホームページを一読して、そこに書かれていない内容はネタバレ防止のため伏せています。しかし今作の場合は、公式の文章を読んで「え、そんな設定だったのか!?」と驚かされました。

まず登場人物の顔と名前が覚えられません。とにかく大勢出て来て、森の中を縦横無尽に駆け回る上に、そのほとんどが中年男性ばかりなので、単純に見分けがつかないのです。ゆえに個々人の背景や人間関係が非常に見えづらい。

ただ、映画本編を観るかぎり、ストーリーがそこまで重要とは思えません。たった一頭の水牛を巡って、狂気や興奮が村中に伝染してゆく様を描く。それさえ伝われば十分楽しめるでしょう。

暴徒となった村人が森に逃げた水牛を追うシーンでは、ほとんどCGを使わず、実際に撮影しているとか。監督はトリック撮影の名手であるリジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ。

森のチェイスシーンは「もののけ姫」や「七人の侍」を彷彿とさせます。森や村というシチュエーションで、これでもかとエキストラが駆け回り、泥まみれに転げ回る姿に既視感ありです。

踊るインド映画の系譜

インド映画といえば『ムトゥ踊るマハラジャ』や『ロボット』など、「踊る」「笑える」そんなイメージがあります。ただ、それも今は昔。かつては笑いを振りまいていた大勢のエキストラは、今日では狂気や怒りを表現しています。

また、音にも非常にこだわっていて、リズムやテンポを重視した編集は圧巻です。『ムトゥ踊るマハラジャ』で発明(?)された、映像を楽曲のリズムに合わせることを最優先し、そのためには本編と関係ない画を挿入することも厭わない暴力的な編集が(!?)、やっと『ジャッリカットゥ 牛の怒り』で結実した、と(笑)。

決して過去の栄華にすがりつくのではなく、新しい映像を作り続ける。それが映画先進国の条件なのでしょうね。個人的には踊るインド映画も捨て難いのですが、さすがに世界から飽きられたのかな。

あとは本編を観ればわかります(丸投げ)。

一つアドバイスがあるとすれば、カメラが結構揺れるので、前の方の席だと画面酔いするかもしれません。私みたいに。

後ろの席を予約するべし。

おわりに

こういうご時世なので最近全然、映画に行けておらず、更新が止まっていました。

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』はかなり前から楽しみにしていたので、リスクを冒して観に行ったのですが、渋谷はすごく賑わっておりました。

私は今日まで微力ながら、映画好きのお客さんが一人でも増えるように、との思惑をもって『銀幕の館』映画ブログをやってきました。なので「観に行くなら自己責任で」などという無責任なことは言いたくありません。たぶん今が一番危ないです。家に居ましょう。絶対に外に行ってはダメです。いいですか、絶対ですよ!

絶対だぞ!

……よし、ここまで言えば大丈夫でしょう。

私も今後しばらくの間は、不用意に外出することは避けるつもりです。その間、本職である短編アニメーションを作ったり、ブログを魔改造したりしようかな。

はい、というわけで今回はここまでにしたいと思います。

ありがとうございました!

投稿者
こねこ座

こねこ座

映像作家。個人でアニメーションを制作する傍ら、ご機嫌な映画紹介ブログの管理人をしている。

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