【映画】19世紀のロシア、サンクトペテルブルグ。16歳の誕生日を迎えたサーシャは、初めての社交界で王子のトムスキーに、ダバイ号の捜索を懇願するも断られてしまう。祖父が北極探索で乗り込み、行方不明になったダバイ号。諦めきれないサーシャは屋敷を飛び出し、氷の海を進むのだった。

孫がなかなか助けに来ない
サーシャ「ダバイ号はぜったい見つける!」
俺「おじいちゃんは?」
今回はロシアが舞台のアニメーション映画ということで、前から注目していました。個人的にロシアの文化には興味がありますし、ロシアバレエを題材にした短編アニメーションを制作したこともあります。
TOPミュージアムにて吹き替え版を鑑賞できましたが、上映館は全国的に見て決して多くはなく、都心に住んでいないと鑑賞は難しいかもしれません。予めご容赦ください。
恵比寿は今アニメが熱い!
先週ご紹介した『ディリリとパリの時間旅行』は恵比寿ガーデンシネマ、そして本作『ロング・ウェイ・ノース -地球のてっぺん-』はTOPミュージアムにて放映されています。恵比寿に行けば、今注目のアート系アニメが二本とも観ることが出来る。
熱い、熱すぎるぞ、恵比寿!
……しかし、東京は美術館も映画館も、バリエーションに富んでいますね。
良くも悪くも”アートアニメ”って感じ
本作はフランスとデンマーク製作のアニメーション映画です。主線を省略し、平面構成のようなベタ塗りで表現されたパステル調の絵柄は、日本のいわゆるテレビアニメや劇場長編アニメとは、一風変わっています。
吹雪はガサガサした手描き風のタッチで描かれており、とってもオシャレ!脚本も台詞が多く、構成がしっかりしていますし、特に奇抜で過激な表現もないので、非常に観やすいと思います。観客動員数はそれなりで、満席にはならないものの、ガラガラにもならないくらい。しかしながら、周りのお客さんが感動していたらしいことは伝わって来ました。
不思議ですね。
隣に座っていた人はサーシャが不憫なあまり、目頭を押さえて肩を震わせておりました。
サーシャ、船員に嫌われすぎだろ
家出してから、なんとか港に辿り着き、北方に向かう船に乗せてもらうサーシャですが、一部を除いて、やたら船員に嫌われます。
非力なくせに口が達者で生意気ということもありましょう。よくある冒険物だと、途中から主人公の活躍が認められて、周囲が軟化してくるケースが多いのに、終盤まで情け容赦ありません。個人的にはそこが一番面白かったですね。
まさに、おそロシア。
おわりに
ということで『ロング・ウェイ・ノース -地球のてっぺん-』をご紹介いたしました。
船なんか絶対乗りたくない!
そう思わせてくれる作品でしたね。え、それはお前だけだろって?
……それではまた次回お会いしましょう。