ずっと見ていると、こんなんだったかも、と思えてくる。

日本公開から時間差でブームに

はいみなさんこんばんは。今回は『羅小黒戦記』についてお話ししたいと思います。

日本初公開は昨年の2019年だったでしょうか。友人から紹介されたのですが、当時はゲリラ的に上映されていて、あまり大きくは取り上げられていなかった、と思います。ところが、口コミで評判が広がり、一年越しのブームが到来しました。

さて、感想を一言で申し上げると、結構楽しめました。いま日本は閉塞感がありますから、元気な作品を観て活力をもらうといいかもしれません。確かにツッコミ所も多いです。しかし、まあ大目に見てもいいんじゃないですか(テキトー)。

僕の周りには不思議と厳しい意見が集まりますが、自分が劇場で感じた印象を、素直に書きたいと思います。

あらすじ

森で暮らしていたシャオヘイは、人間の都市開発によって、故郷の森を追われる。都会で野良猫同然に暮らしていたところを、似た境遇のフーシーに拾われ、仲間に引き入れられる。「ここがお前の家だ」。ところが、安らかな日々は長くは続かなかった。

中の人がいい

さて、日本語吹き替え版は声優さんに結構こだわっていて、ほとんど喋らない役を大物声優に任せたりしています。海外の作品ですが、日本人でもかなり観易いはずです。これが字幕版だと、テキストを追うのに忙しく、激しいアクションシーンなど、ちょっと目を離している間に超展開するので、吹き替えはありがたいですね。元の声も気になりますが。

フーシーの吹き替えを櫻井孝宏さんが担当されていて、すごく合ってて良かったのですが、かの声を聞いた瞬間、「あ、こいつやったな」と思いました笑。全然関係ない所で勝手にネタバレ食らった気分。

とにかく元気!

さて、肝心のアニメーション表現に関してなのですが、めっちゃ元気でした。

『羅小黒戦記』からはパワーというか、未来というか、元気が有り余ってる熱量のようなものを感じました。単に上手いか下手か、ではありません。エネルギーというか、せっかちというか……笑。超絶技巧ではないけれど、勢いで押し切られてしまう、そんな感じです。

知人から聞いた話だと、『羅小黒戦記』の原作はYouTubeに上がっている動画らしいのですが、内容はだいぶ違います。実際に観た感想を言うと、原作はもっとこう、日常系&動物もので、『あたしンち』と『ハムスター倶楽部』を足して割ったような印象です(懐かしい!)。個人制作なので、作画枚数にも制約(時間と労力)があるであろうに、なぜか唐突に戦闘シーンが始まる笑。この急に殴り合いになる描写は、劇場版『羅小黒戦記』に生かされているような気がします(それともカンフー映画の系譜か?)。

そして、おそらく原作者は日本のアニメが好きで、作中にも二次創作というか、オマージュが散見されます。一話でいきなりハウル(『ハウルの動く城』)が出てきますし、火影岩(『NARUTO』)もどこかで見ました。ここまで素直に引用されると、「あぁ、好きなんだな」とあまり気にせず本編に集中できるから不思議です。

劇場版『羅小黒戦記』には露骨な引用は出てきませんが、森や館の表現に『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』の影響を感じます。正直、こっちはかなり気になりました。

まるで嵐のような人だったな……

そんな劇場版『羅小黒戦記』、かなり二次創作が盛り上がっているようです。

それも納得で、本編では気になるキャラクターがサッと登場して、ほとんど出番もなく消えます。「え、あの人最後どうなったの?」と、非常に気がかりです。個人的には、シャオヘイと仲のよかった兄貴がどうなったのか気になります。あと、何百年と住んでた洞窟から追い出された爺さんの過去とか。

これは盛り上がりますよ。

キャラクターが大勢出てきて、あきらかにモブ顔ではないのに、一瞬しか現れないこの感覚。『BLEACH』を思い出します。「待たせたな!」みたいな感じで現れるくせに、すぐ退場するよね、あれ。

では最後に、僕の二次創作をここ挙げて、今回は終わりとします。

おまけ〜2020年の総括〜

さて、『羅小黒戦記』とは全然関係ないのですが、2020年の銀幕の館について振り返ろうと思います。決して文章の量が足りなかったからではありません。興味ない方は読み飛ばして下さい。

2020年の一発目に紹介したのは『ブレッド・ウィナー』でした(カートゥーン・サルーンの次作『ウルフ・ウォーカー』については次回ご紹介します)。おそらく偶然でしょうが、かのスタジオが手がける作品は、大抵お父さんかお母さんが捕まり、娘が助けに来るのを待っています。そしてなかなか助けに来ない笑。

その後は、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』や『犬鳴村』、『ミッドサマー』を観たところで新型コロナウイルスが猛威をふるい、映画館が休館。正直、辛い時期でした。仕方ないのでアップリンク・クラウドで観た過去作を紹介する企画を始めたのですが、社長のパワー・ハラスメント問題が発覚し、それ以降は劇場および配信は利用しておりません(2021年1月4日現在)。

困り果てて行き着いた先は、私にとっては古巣となる小説でした。ブログでは『氷』(アンナ・カヴァン)、『残穢』(小野不由美)、『アラビアの夜の種族』(古川日出男)をご紹介しました。SF、ホラー、アラビアンナイト……これらに共通点があるとすれば、私の本棚で埃をかぶっていた積読たち、でしょうね。

夏もすぎると映画館も再開し、警戒しながらも再び通い始めます。久しぶりに劇場で観る『イップマン』シリーズは格別でした。一方で『デッド・ドント・ダイ』は期待が大きかっただけに少し残念ではありました。ティルダ様の抜刀が見られる以外に見所がなかったので。過去作品にもスポットが当たり、『アングスト/不安』や『ブラックムーン』といった怪作が観れたのが大きいですね。できれば『血を吸うカメラ』も観たかった。

おわりに

ということで『羅小黒戦記』の紹介でした。2020年は本当に大変な年でありました。しかし、映画はなかなか良作だったような気がします。特に『ようこそ映画音響の世界へ』はすごく勉強になりました。銀幕の館ドキュメンタリー部門一位を授けよう。気になるドラマ部門は、『アングスト/不安』ですね。2020年制作ではなく過去作にはなりますが、昨年劇場で観た作品の中では一番面白かった。

2021年こそはツイッターを始めよう……。

ではまた!

著者
こねこ座

こねこ座

映像作家。個人でアニメーションを制作する傍ら、ご機嫌な映画紹介ブログの管理人をしている。

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