【映画】家族を失い、心を病んでしまったダニーは、同じ大学の恋人クリスチャンに誘われ、彼の友人達と一緒に、スウェーデンの奥地で開かれる”祝祭”に訪れる。美しい花々が咲き乱れる白夜の村は、歌と踊りと色彩の楽園だった。そして、とうとう”祝祭”が始まる。

これがスウェーデンのお祭りかー

もっと恐怖演出が見たい

はいみなさん、こんばんは。それでは今話題の『ミッドサマー』を紹介したいと思います。

以前このブログでもご紹介した『へレディタリー/継承』で有名な、アリ・アスター監督の新作です。予告編を見た時から「これは面白そうだ」と直感し、楽しみにしておりました。

とにかくホラーが見たーい!

見たーい!

たーい……

たーい……

……。

悪夢というよりセラピー?

いつもだとブログの文章はすぐ書けるのですが、『ミッドサマー』は逆で、絵の方が描きやすかった。

A24(映画会社)らしい、舞台美術へのこだわりを、画面から感じたせいでしょうか。
前作『へレディタリー/継承』でもおしゃれなドールハウスが登場しましたし、今作では村をまるごと一つ作っていますね。視覚的なイメージが非常にわかりやすく脳裏に焼き付く作品です。

しかし、内容はなんだか判然としません。

公式HPには「次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく」とあるのですが、実際観てみた印象としては、冒頭で心を病んでいたダニーが、ホルガ村で過ごすうちに癒されていく。という方がしっくり来ます。

確かにずっと不穏な空気が漂っているのですが、それが一本調子で続いてゆく。

似た印象を受ける作品としては、ラース・フォン・トリアー監督の『メランコリア』が挙げられるでしょうか。主人公が鬱気味で、華々しい結婚式でも気持ちが沈んでいたところ、謎の惑星メランコリアが地球に衝突することがわかり、みんながパニックに陥る中、なぜか主人公は心が落ち着いてゆき、滅びをもって平静を取り戻す。

あれ、あんまり似てないかも。

従来のホラー作品とは異なる展開

ホラー映画を観ていてつくづく思うのは、脚本がかなり論理的であることです。

例を挙げるとキリがありませんが(ネタバレ注意)、『シックスセンス』ではラストの大どんでん返しがありますし、『13日の金曜日』ではいきなり主人公サイドが全滅してしまいます。邦画の『リング』もビデオテープの呪いを回避するに至る過程が、非常に丁寧に描かれています。

伏線がバリバリに張り巡らされており、即興で撮ったら何か映り込んだ!……ということは実際の撮影現場ではほとんど起こり得ないのです。

ふふふ、そう、恐怖はつくるものなのです!

ところが『ミッドサマー』では、冒頭で典型的な恐怖演出が複数見られるものの、途中からは明るい画面が金太郎飴のように続いていきます。もはや怖くなくなり、観る方もホルガ村に適応してしまいます。仲間が死体で発見される時も「まあ死ぬよね~」と不思議に受け入れてしまう自分がいます。

アリ・アスター監督はとにかく観客を不安にさせたかった、という旨をおっしゃっているようですが、正直不安にも慣れてしまいます。観終わった後にモヤモヤが残るのは確かですけども。

ひどい目に遭うのはいつも大学生

というわけで、大学の友人達と一緒にホルガ村に行くダニー達一行は、案の定ひどい目に遭います。

『グリーンインフェルノ』では民俗学を学ぶ大学生達が、熱帯林に生息する原住民を守るべく、反森林伐採デモを敢行し、守ろうとしていた原住民達からひどい目に遭わされます。『ミッドサマー』もその例に洩れず、民俗学を専攻していた学生達が(ダニーは心理学専攻!)、学術的な興味からホルガ村に近づき、成敗されてしまいます。

いずれの作品でも、学術的な興味関心や、打算的な観点で近づいてくる”侵入者”には情け容赦がありません。

ダニーは心理学を専攻してはいるものの、ホルガ村には論文のネタを探しに来たわけではなかった。それが、ダニーと哀れなクリスチャン達との違いなのかもしてません。

都会の生活を”普通”とし、辺境の地や土着の暮らしを”異常”と捉える。ホラースポットに行くのも”怖いもの見たさ”からですし、そういう輩には天誅が下ってしかるべきなのかもしれません。

それ私やん。

おわりに

はいということで『ミッドサマー』の紹介でした。

『へレディタリー/継承』ではマニアックそうなお客さんが目立ちましたが(A24だからかな?)、今作はかなり幅広い客層だったと思います。どちらかと言えば若い人が多かったですかね。とはいえ、ダニーは恋人と上手くいっていないので、カップルで観に行くのはおすすめしません。

まあ、映画は体験するものなので、気が向いたら行ってみて下さい。

もっとホラーを見せてくれーーー!