【書籍】ハルラント聖王国の少女エヤアルは、幼い頃に魔法を暴走させ、〈火の鳥〉によって魔法を奪われた。
そして時が経ち、エヤアルは失われた炎の魔法を巡り、戦火に巻き込まれてゆくことになる。

数ページ読んで、即購入

立川にあるオリオン書房で美術書を立ち読みしていたんですが、それも疲れてふらふら歩いていると、ちくま文庫の棚に気になる本を発見。
表紙の絵とあらすじから、ファンタジー小説であるらしいとわかりました。
乾石智子という方が作者で、有名な方らしいのですが、私は知りませんでした。読み終わった後に「もっと早く知っていれば」と後悔。

とにかく文章が美しいです!
久しく忘れていた驚きです。匂いや空気と言いますか、五感すべてに訴えかけてきて、作品の世界に引きずり込まれます。体の奥底に眠っていた感覚が、なんだか呼び覚まされたような、そんな体験でした。

この世界で登場する魔法は、修行して身につけるというよりも、生まれ持った性質らしく、1人につき1種類しか魔法を使えないようです。また、魔法を使えない者は〈空っぽの者〉と呼ばれ、あまりいい仕事にはつけません。『ドロヘドロ』みたいですね。
エヤアルも魔法を失っていますが、抜群の記憶力のおかげで祐筆の職に抜擢されます。祐筆は、偉い人の側で起こった出来事などを記憶し伝える、いわば伝令役です。エヤアルは祐筆としてお偉い方々に仕え、世界を廻る中で、色んな人々や風景に出会います。

国境を守る砦や王宮、異国の街、海……それら美しい風景をエヤアルが祐筆らしく描写してくれます。もはやそれが魔法と言ってもいいくらいです。
文章を作るって、実はものすごいことだったんだな、と改めて実感しました。

著者
杉本直樹

杉本直樹

笑いは世界を救うという信念の元、映画ブログとホラーアニメーションを制作中(なんでだよ笑)! 

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