第一次大戦時のイギリス。
なにも知らない若者達が熱に浮かれ、志願兵となってドイツとの戦争に向かう。そこで何が待っているとも知らずに……。

軍曹「紅茶しかないが……」
俺 「紅茶あるんかーい!」

戦争フィルムに着色、蘇る

本作はイギリス帝国戦争博物館に収容されていた、第一次大戦中の西部戦線の記録映像を再編集した映画です。

当時はフィルムですから、同時録音はできないので、音は後から作っています。声も新しく役者を雇っていますし、ナレーションは当時の関係者のインタビューを使っています。白黒のパートは『戦争の世紀』を観てるような感じで、いつも通りやな!という印象でした。

ところが、ここに色がつくと、劇的に変わります!

ぜひ劇場で体感してみて下さい。
確かに生きとるなあ、って思いますから。

みんな紅茶をがぶがぶ飲んでる

『ガールズ・アンド・パンツァー』というアニメ作品に、イギリス軍をモチーフにした戦車のチームが登場し、常に紅茶を飲んでいる描写があります。

正直、アニメだから誇張してるのかなと、最初は思っていたのですが、本作『彼らは生きていた』でも隙あらば紅茶を飲むイギリス軍の姿が登場します!

軍曹「何もないんだ。紅茶しか……」
俺 「紅茶はあるんかーい!」

まあ、塹壕の中でも戦車に乗る時も、飲み物くらい飲むでしょうから、紅茶だって飲むでしょう!『ガールズ・アンド・パンツァー』では戦車の中が結構、生活感あっておもしろいのですが、それが誇張ではなく”リアル”なのかもしれません。

故郷に帰りたくない?

本作には、当事者のインタビューをナレーションとして使っているのですが、戦争の悲惨さを語る一方で、故郷に帰りたくなかったという声も多く聞こえます。

常に死と隣り合わせの戦場よりも、故郷の方が嫌だというのは、よくわかりません。大抵の戦争物では、戦争が終わって「やれやれ、やっと帰れる」みたいな描写があると思います。

戦争から帰ってくると、就職できないというのが大きな理由の一つのようです。

戦争に志願できるのは18歳以上という規約はあったものの、戦時中はとにかく兵士が足りませんから、15歳くらいの少年でも問題なく入隊できたと聞きます。中卒で戦争に行って、帰ってきた時は20代。確かに就職は難しそうです。また、戦争の体験を話しても信じてもらえない、家族と話が合わないなど、帰還兵の末路は決して明るくはなかったようです。

やっぱ、戦争ってクソだな。

おわりに

はい、ということで『彼らは生きていた』の紹介でした。
既存の記録映像を着色して再編集し、音を付けただけでここまで変わるか!というね。

監督のピーター・ジャクソンは『ロード・オブ・ザ・リング』(3部作)や『ホビット』(3部作)で有名ですが、本作はこれまでの作品とは、かなり毛色が異なります。面白いですね……。

個人的には、監督が自分の殻を破り、全然違うことに挑戦しようとした作品には、好感が持てます。しかも、ハリウッドの監督なので、エンターテイメント性も非常に強いです!

皆さま。今はコロナのせいで、しんどい思いをしているのかもしれません。この映画ブログが、少しでも退屈しのぎになれば幸いです。自主作品の『闇雪路』も、新しいバージョンをUPしておきますので、ご覧あれ!

ではまた。

著者
杉本直樹

杉本直樹

映像作家。 恐怖と笑いは魂を救う特効薬である!……という信念の元、現在アニメーションを制作中。本ブログでもホラー作品を多く取り上げているつもりなのだが、実はあまりジャンルにこだわりがない。

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